どうも健康と美容が大好き ゆんゆん です。
皆さん「血液クレンジング」ってご存知でしょうか。私も最近SNSなどで知ったのですが、どうもとんでもない話のようで、ちょっと真面目に調べてみました。
するとどうやらヤバいんじゃないかということがわかってきたのでそのことについて今日は書いてみようと思います。
ちょっと長くなるかと思いますが、なるべく事実に基づいて客観的に書いてみますので、よろしければお付き合いください。
まず結論
まず私は医者ではありません。昔大学で化学を専攻していた一般人です。
一般人ですが、私は血液クレンジングについて超否定派です。
私の考えだと、体に良くないとかいうレベルではなく、むしろ害だと考えます。
上記の考えに至るにはいろいろと化学目線で考えてみる必要があると思います。
なるべく簡単に、わかりやすくその理由を説明していこうと思います。
途中難しい部分が出てくるかもしれませんが、わからないところは読み飛ばしてもらってもOKです。
大事なところは大体赤字か大文字で書いています。そこだけ読んでもらってもいいかと思います。
それでは私が血液クレンジングを否定する理由をご覧ください。
まずは血液クレンジングとは何か
血液クレンジングについてご存知の方はここは読み飛ばしてもらってもOKです。簡単に説明してみます。
- あなたの体から血液を100~200mlほど抜き取ります。
- その血液に「オゾン」という化学物質を反応させます。(この時黒っぽい血が鮮やかな赤になります)
- 反応させた血液をまた体に戻します(輸血)
すごく簡単に言うとこの3ステップです。血を抜いて、血にちょっと混ぜ物をして、また戻す。そんな感じです。
この3ステップを踏むことで、以下のような効能が得られると言われています。
- 免疫力アップ
- 冷え性、肩こり、リウマチなどの緩和
- 動脈硬化
- 認知症
- アレルギー、花粉症
- アンチエイジング
などなど。。。
効能を見るとすごいことになってますね。まるで温泉に書いてある効能みたいです。。。
ちなみに1回のお値段は大体1~2万円程度です。(保険適用外)
また、医者の問診と血液クレンジングで合わせて1~2時間くらいかかることが多いようです。
血液クレンジングをするとこれほどの効果が得られるということであれば素晴らしいですね。
しかし、上記に本当に効くのでしょうか。本当に効くのなら日本の全部の病院で導入してもよさそうですよね。保険も適用になると思います。
でも今のところ血液クレンジングは特定の病院や医療機関でのみ対応できる状況です。
さぁこの辺からすでに怪しい気がしてきますが、もう少し化学的目線で考えてみましょう。
ちなみに上記の効能がうたわれる理由についてはまた別の記事で書いてみようと思います。(明らかに理論が破綻しているので逆に面白いと思います)
今日は血液クレンジングが体に起こす影響について説明していこうと思います。
オゾンとは何だろう
皆さんオゾン層って聞いたことありませんか。地球の空高くにあって、宇宙からの紫外線を防いでくれているものです。
昔フロンガスのせいでオゾン層に穴が開いてしまう「オゾンホール」なんて言葉もありましたね。
そのオゾンと、血液クレンジングで使用するオゾンは同じものです。
化学式で書くと O3 です。酸素はO2なので、酸素に似た物質です。
オゾンは酸素と同じで気体です。(ただし、生臭い)
酸素に高圧で電気を流す(正確には印加、放電)と酸素の一部がオゾンに変わります。
結構簡単に作れるものなんですね。
で、このオゾンですが、化学的にどんなものかというと、「炭素二重結合に反応して、酸化、切断する。」というものです。
ウィキペディアから引用した化学反応式はこんな感じです。(わからない場合は次の章へGo)
「=」みたいな部分が二重結合といいまして、この部分にオゾンが反応して、切断。その後「O=」という形になったものが2個できます。
これが二重結合の酸化開裂といいます。簡単に言うと、オゾンが反応して、別のものができるということです。
オゾンは反応性が高いため、いろんな二重結合をどんどん破壊していきます。
上で生臭いと書きましたが、匂いをかいでいる時点で鼻の粘膜はやられていますので、直接匂いをかぐことはやめましょうw
オゾンが血液や人体にどんな影響を与えるのか
で、この二重結合というものは人の体を構成するたんぱく質などにたくさん含まれますし、もっと細かい遺伝子(DNA)なんかにもたくさん含まれています。
そういったものにオゾンがどんどん反応していくわけですね。
するとどういうことが起こるでしょうか、、、
そう、細胞が死にます。
遺伝子が欠損します。
はい。このあたりで徐々にヤバさが出てきましたね。
そもそもオゾンという物質は、殺菌効果があり、カビや細菌、ウィルスなどの除去に使われることが多いです。
そんなものを血液にぶち込んだらどうなるか。。。
血液の成分は大部分が水ですが、ほかには赤血球や白血球、その他免疫にかかわる細胞など、重要な成分がたくさん含まれています。
赤血球や白血球もたんぱく質等でできていますので、オゾンの攻撃をもろに受けます。
ただ、赤血球については、中にヘモグロビンという酸素を運ぶ成分があり、オゾン(正確にはその分解物)はヘモグロビンに対して酸素を供給することが可能になります。
これが血液クレンジングにおいて、どす黒い血を真っ赤に変化させる原因になります。
ただ、そういう赤血球もしますし、そもそもオゾンでそのまま破壊される赤血球もいます。
白血球はオゾンに触れたら間違いなく死にます。白血球は体内に入った細菌などを攻撃するものなので、その大事な白血球を殺してしまっていいことなんてないでしょう。。。
遺伝子に至っては欠損してしまったら細胞の正常な分裂を阻害し、最悪ガン化してしまう可能性もあります。
この辺が私が考える最もヤバい部分です。
でもこれだけではありません。。。
オゾンは水とも反応します。
血液の半分以上は水分ですので、その水分と反応してしまいます。
水とオゾンが反応すると、過酸化水素というものが発生します。
これは薬局などで売っている消毒薬の成分で、オキシドールとも呼ばれます。
擦り傷ができてしまったときに消毒で使われてめちゃくちゃしみるやつです。
オキシドールはとりあえず傷口の細菌などを皆殺しにしてきれいに保つことを目的にしています。
ただ、細菌だけでなく、正常な体の細胞も一緒に殺してしまうためしみて痛いんですね。
過酸化水素は他にも漂白剤としても使用されます。
そんな過酸化水素を血液と一緒に体内に入れたら、、、
体内の細胞ももちろん傷つき、死んでしまうでしょう。。。
血液クレンジングは化学的に見て、体にいいことは何も起こりません。
まぁ実際はオゾンの量をごく微量にすれば反応もそんなに起きないので、悪い影響もそんなに多くはおきません。
ただ、確実にいいことも起こらないだろうというのが私の考えです。
悪い影響を少なくするためにオゾンを減らして、血の色を黒から赤に変えるだけなら、、、
息すれば肺が同じことをやってくれますw
じゃあなぜ血液クレンジングというものがあるのか
血液クレンジングは化学的に考えると、細胞を殺しまくることしかできない気がします。
でも、唯一血液中に酸素を増やすことができます。
特に静脈からとった血はどす黒いのですが、オゾンを使い酸素を供給すると鮮やかな赤色になるのです。
この見た目の変化が凄く大きいのと、赤くなった血がなんとなく活力がある気がするので、元気になった気がする。
というのが最大の効果になると考えられます。
またSNSでインフルエンサーと呼ばれる方が試して、「元気になった」とか、「疲れが取れた」とか言ってたりします。
ここが私が考えるもう一つのヤバいところです。
インフルエンサーはお金をもらって発言しているでしょうから、効果があるように言います。
でも実際化学的に起こることでいいことなんてありません。
もちろんオゾンの量をめちゃくちゃ少なくして、影響も小さくして、ただ血を抜いて赤くして戻すだけという状況にすることもできます。
その中で「何となく聞いた気がする」とインフルエンサーが言えばそう思ってしまう人も出てくるでしょう。
特に体に(良くも悪くも)影響がなければ厚生労働省から注意喚起もないでしょうし、保険効かないけどやりたい人はやればいいという状況になります。
その中でインフルエンサーを盲目的に信じた人が特に効果もないのにお金を出してやってしまうというのが現状かと思います。
血液クレンジングで考えられること
医者なら絶対にいいことが起こらないことがわかると思うのですが、実際体への影響もごくわずかだし、儲かるならやってみようかという医者も出てくるかと思います。
これがヤバいです。
人の体から血を抜いて戻すという、血液クレンジングをするということは以下のリスクが潜んでいます。
- 血管を傷つけるリスク
- オゾンによる細胞破壊などのリスク
- 感染症のリスク
そしてインフルエンサーの無責任な拡散により実施する人が増えてきたら、いつか上記の事故が起こるのではないかと考えます。
その時インフルエンサーは炎上するのかなと思います。昔あったペニーオークションの炎上に似ていますね。
ちなみに医師でもあり、健康に関することは何でも自分で試すことで有名な「高須クリニック」の高須さんは血液クレンジングについて「意味なし。おまじないみたいなもの」と発言しています。
正直それがすべてだと思います。
最終的なまとめ
別にインフルエンサーが炎上するのも、インフルエンサーを盲目的に信仰して血液クレンジングするのも個人の自由です。(医者がこんなことをやるのはなかなか理解できませんが)
やりたい人はやればいい。
ただ、血液クレンジングができる医療機関はそういったリスクや、実際に何が起こるのかについてあまり詳しく書いていないことが多いので、化学を昔専攻した人間の目線でネガティブな情報も書いておきたかったのが今回の記事です。
上記のように説明してきた理由から私は明確に血液クレンジングを否定します。
もちろんSNSで血液クレンジングをしている人(しようとしている人)に対してわざわざリプをつけたりすることはありませんので賛成派の方はご安心ください。
ただ、私の大切な家族や知り合いが「血液クレンジングしたいな~」とか言い出したら殴ってでも止めようと思います。
いやー、今日の記事は書いていたらどんどん力が入ってしまいました。
本日の記事が血液クレンジングについてあなたがどう考えるかの手助けになれば幸いです。
もし私の認識に間違いがあればコメントいただけると嬉しいです。(賛同いただける方のコメントのほうが嬉しいですけどw)
最後まで読んでいただきありがとうございました。